英国アンティーク、真鍮ケース入り 繰り出し式ダブルレンズルーペ。
英国のアンティークマーケットで手に入れた、真鍮のケースに仕舞われた小さな拡大鏡をご紹介します。
このような涙型のケースから回転させるようにレンズパーツを繰り出すスタイルのルーペは、"Jewelers Loupe" ジュエラーズ・ルーペ と呼ばれ、日本でも、宝石用ルーペ/宝石鑑定用ルーペとして現代でも使用されています。
大工さんの金槌のように、これを所持していない人、あるいは使い方がわからない人はプロフェッショナルとは言えないほど、宝石商や金細工職人には必須アイテムとされており、ジュエリーはもちろん高級腕時計、骨董品などの蒐集家の多くもこれを所持しています。
宝石用ルーペとしてよく使われるのは10倍ルーペです。20倍や30倍など高倍率のものもありますが、焦点距離が極端に短くなるためピント合わせが難しいので、より集中力が必要となり目も疲れやすく、対象物の全体像が見れないなどの不便さもあるため、10倍のルーペがお薦めとされています。
ちなみに、ダイアモンドの品質を証明する鑑定書の評価基準(4C)は4つあるのですが、そのひとつである「クラリティ/Clarity」(透明度)のグレードは、天然の鉱物であるダイヤモンドの内包物や不純物、表面についたキズや欠けなどを、熟練の鑑定士が10倍のルーペで確認して評価します。
今回のジュエラーズ・ルーペは、2枚の独立したレンズパーツの間に1.2センチほどの丸穴が開いたフラットプレートが挟まれています。
直径約2センチ強のレンズは、恐らく1枚が約4倍から5倍、2枚重ねると約8倍~10倍の倍率となります。1枚だけであれば、レンズから目を離して虫眼鏡のようにも使えますが、2枚重ねた場合は、使い方にコツが必要となります。
ジュエラーズ・ルーペは通常、円型レンズ部分の直径が、1/2インチから1インチ(約1.27~2.54センチ)ほどで、ケースから軸回転でレンズパーツを繰り出して使用するのですが、多くはそのケースの隙間に人差し指を入れて、親指の第一関節を頬に固定し、人差し指で支えられたレンズを覗き込むようにします。
しかし、今回のジュエラーズ・ルーペは、人差し指を入れるほどの厚みが無いタイプなので、親指と人差し指で2枚重ねたレンズパーツの根元をつまむようにし、そのまま人差し指の第二関節を眉のあたりに固定するようにして覗き込みます。その時の対象物とレンズとの距離は2センチ前後となるでしょう。
フラットプレートの丸穴は、見える範囲を狭め、よりフォーカスを高めたい時などに有効です。
ヴィクトリア朝中期に作られたであろうジュエラーズ・ルーペ、約150年を経た真鍮のケースは自然のパティナに纏われ、深みと味わいが増して唯一無二の雰囲気を醸しています。
ケースと奥行きのあるフレームに守られてきた2枚のレンズは、目立つ傷はほとんどなく、とても良いコンディションです。
レンズは、真鍮フレームのビスを緩めて取り外すことができますので、クリーニングや万が一破損した場合に交換が可能です。
実用性を備えた英国アンティークの逸品、貴方のコレクションのひとつに、あるいは愛用品としても是非お役立てください。
◆England
◆推定製造年:c.1850~1870年代頃
◆素材:真鍮・ガラス
◆ケースサイズ:幅約5.0cm/約8.2cm(繰り出した状態) 奥行約2.5㎝ 厚さ約1.5cm
◆ルーペサイズ:幅約4.0cm 奥行約2.7㎝ 厚さ約0.55cm(1枚のみ)
レンズ部分直径約2.2㎝
◆重量:33g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に微細な傷や汚れ、金属部の経年変化などがみられますが、ガラス部分に目立つ傷はなく、とても良い状態です。
*レンズ部分をケースから繰り出す際は、抵抗なくスムーズに繰り出せます。縦に持てばレンズ部分はくるっと出てくる状態となります。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A