英国アンティーク、おりたたみ式ブーツジャック。
ブーツジャック/Boot-jack、ご存じでしょうか。
それは、(ブーツ用)靴脱ぎのこと。
今回ご紹介するのは折りたたみ式ですが、普通にセッティングしておく大きなものも存在します。靴底を凹みや穴に引っかけ、てこの原理で足を引き抜く、という便利ツール。あまりにも生活用具過ぎて、由来は定かではありません。個人的には、初めは適当な木の枝や床板の凹みなんかを使っていたのではないかと推測いたします。
やがて名前を与えられ、折りたたみ品まで作られるようになった道具。もちろん現代でも存在し、樹脂製や金属製のものをみることができます。
それにしても「ブーツジャック/Boot-jack」という名前の由来は何なのでしょうか。
好奇心から少し調べてみました。「jack」の意味をオックスフォードの辞書で調べると、以下の6つの意味をみることができます。*( )内は私のコメントです。
1:重い物体、特に車両を地面から持ち上げて、車輪を交換できるようにするための装置(→日本語ではジャッキですよね)
2:2つの電気機器間の電子接続器
3:若い男の絵が描かれたカード(トランプのジャックですね)
4:bowlsのボール
5:プレーヤーが小さなボールを バウンドさせ、ボールをキャッチする前にジャックとも呼ばれる小さな金属製の物体を拾う子供向けゲーム
6:何でもかんでも(よくない意味らしいです)
語源としては中世英語より、普通の男性、また若者(16世紀半ば)を表すために使用されていたもの。人間の手伝いをする用具としての意味に拡大し(ジャッキや電子接続器など)、18世紀初頭には「労働者」との意味も加わります。また、「小さい」意味もあり、それが意味「4」「5」に反映されているようです。
つまり、人間の手伝いをする・・・という意味で「ブーツを脱ぐときに手伝うもの」というところからきているのではないでしょうか。「若者」の意味から、ブーツを脱ぐときに若者や小さな男の子に手伝わせたことからきている可能性もあるかもしれません。
今回ご紹介するブーツジャックは、英国のアンティークフェアで手に入れたマホガニー製の逸品。
作られたのは古く、1880年代頃と推測いたします。マホガニー無垢材でつくられており、がっしりした丁番とマイナスネジが堪らない存在感を醸し出しています。ぱかりと広げて床に置き、低い方を踏みながらY字部分にもう一方の足の靴の踵をひっかければ、驚くほど簡単に靴を脱ぐことが出来ます。一部に「WG」の刻印を見ることができますが、詳細は不明。メーカーの印かもしれません。
実際に使用している様子を動画にしましたのでご覧ください。
脱ぐのがかなり大変な革靴で試してもらいました。ご覧のように、あっさりと脱げております。本人曰く「めちゃくちゃ楽だった」とのこと。
靴を履くときはシューホーン(靴べら)、靴を脱ぐときはブーツジャック。
貴方の玄関に常備していただきたい、英国アンティークアイテムです。
◆England
◆推定製造年代:c.1880年代頃
◆素材:マホガニー、金属
◆おりたたみ時サイズ:約7.7×5cm 厚み約4.5cm
◆使用時サイズ:約8×7.6cm 高さ約7.5cm
◆重量:401g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色、一部に材の欠けがみられます。機能性に影響はございません。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A