英国アンティーク、自立式のコンベックスミラー。
コンベックスミラーとは凸面鏡のこと。
その歴史は古く、少なくとも15世紀にはヨーロッパにおいて使用されていました。印象的なインテリアとしても効果的に使用され、たとえばマントルピースの上などに掛けられることもよくあったようです。
独特のな映り方をするせいでしょうか、コンベックスミラーにはいろいろな名前で呼ばれています。
Fish Eye Mirror「魚眼ミラー」。
Banker's Eye「銀行家の眼」。
そしてフランスでは「oeil de sorciere」=「魔女の眼」。
なんでも見通す力を持つ・・・そんな意味かもしれません。
また、リージェンシー/Regency スタイルとは、ジョージ4世の摂政(Regent)時代、および在位時代の建築や家具の様式のこと。時代としては1811-1830年頃、19世紀前半となります。華やかなヴィクトリア様式の前段としてのスタイルで、家具においてはクラシック・リバイバルの要素が強く古代ギリシア、ローマの意匠を強く意識した、重厚で品格のあるデザインが主体でした。
今回ご紹介するコンベックスミラーは、英国の古い街にあるアンティーク・センターで買い付けたもの。おそらく製作は1900-1930年代頃と思われます。ジョージ4世の摂政時代よりは後年となりますが、重厚で品格のあるデザインはまさにリージェンシースタイルであり、古き良き時代をイメージして造られたものであるといえます。
周囲のフレームは木のベースに、石膏で象ったディテール、そして金彩を施した伝統的な手法。ミラーに接する部分の細縁は黒く、エボナイズド(黒檀風の仕上げ)されており、ミラーに映る世界をより怪しく引きてているよう。さらに周囲には細い金彩のリーフパターンがくるりと回り、リージェンシースタイルの特徴である球形のデコレーションや最外周のリボンモチーフなどが品格溢れる佇まいを引き立てています。
また、もうひとつの特徴は自立式であるということ。折り畳み式の脚をぱかりと開いて、サイドボードやテーブルに立てることができます。開いた部分は蛇皮風の型押しの紙で雰囲気たっぷり。
多くのコンベックスミラーは壁掛けタイプですので、このような自立式は珍しいといえます。壁に物を掛けずらい場所や、気軽にコンベックスミラーを愉しみたいスペースに、ちょっと置くのに最適。季節のディスプレイのバックグラウンドとして飾れば、周囲の景色を歪んで取り込む、他では見ないような効果的な演出がお愉しみいただけます。
人間の眼を超えた、不思議な世界。
映しだされたものは現実なのか、架空なのか。
是非ご自身の眼でお確かめください。
◆England
◆推定製造年代:c.1900-1930年代頃
◆素材:木、石膏、ガラス、紙、他
◆サイズ:全体直径約30cm(ミラー部分直径約24.3cm) 厚み約3.7cm 自立した時の奥行き約15.5cm
◆重量:約1.15kg
◆在庫数:1枚のみ
【NOTE】
*背面は木製です。断面をみると合板(ベニヤ)であることがわかります。(英国ではベニヤは1830年代から作られています)
*自立用の脚を出した部分は、型押しの紙仕上げです。一部に剥げがみられます。
*背面のチェーン、もしくは付け根の丸環によって壁に掛けることができます。
*ミラーには、若干の錆や曇りがみられます。ガラス内面(裏側に蒸着させた銀等からの錆やくもり)のものですので、除去することはできません。
*フレームには若干のアタリ、汚れ、塗装の剥げ、材の離れなどがみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*古いお品物ですので、上記のような事象がみられますが、全体としてはとても雰囲気ある素敵なお品物だと思います。ご了承の上、お求めください。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A