フランスアンティーク、折りたたみ式柄付き拡大鏡。
ローネット/Lorgnetteとは、柄のついた折りたたみ式眼鏡(もしくは拡大鏡)のこと。
歴史は古く、18世紀のヨーロッパ社交会の貴族達が、ファッションアイテムとしてオペラや仮面舞踏会などで使用していました。
英国人の楽器職人、眼鏡職人であったGeorge Adams (c.1709-1773) が、折り畳んで専用のケースにしまえるよう工夫したことから、ポケットなどにいれて気軽に持ち運びできるようになり、とてもポピュラーになったそうです。
実用性よりも、貴婦人の装飾品としての要素が強く、様々な装飾を施されたものが制作されてきました。一般的な近視用眼鏡の機能をもつもの、オペラグラスとしての機能をもつものなど、様々なタイプがあったと思われます。
今回ご紹介するローネットは、英国南部のアンティークタウンで手に入れたお品物。
製造はフランスと思われます。
特徴的なのは優美な装飾。持ち手のリングと、レンズ周囲にはローレル/Laurel(月桂樹)の装飾が施され、レンズ付け根部分にもギリシア建築の柱頭のような意匠をみることができます。
ギリシア神話において、アポロンの求愛を拒んだダフネが姿を変えた木と言われる月桂樹。古代より神聖な木とされ、勝利と栄光のシンボルともされてきました。全体に古代ギリシアを感じさせるモチーフは、ルイ16世様式をイメージしたものかもしれません。
全長約11cmとこぶりな大きさで、広げた時には両眼で見ることの出来る拡大鏡、たたんだ時には二重のレンズをもつ拡大率の高い拡大鏡として使用することが出来ます。
持ち手部分下部のパーツを押し下げると、瞬時にもう一方のガラスが開く仕組み。二つのレンズを繋ぐブリッジには2つの小さな刻印がみられます。1つはフランスのシルバーのマーク「イノシシの頭」のようにみえますが、地模様と混じり、確定的ではありません。
全体的な雰囲気から、シルバーにゴールドギルド、そしてゴールド部分はだいぶ剥げてきている・・・という事ではないかと推測いたします。
小さな文字や地図を見る時に片目よりは負担無く字面を読むことができ、お好みのチェーン等を通して首に掛けておけば、クラシカルでありながらさりげなくお洒落な雰囲気をお愉しみいただけることでしょう。
開閉の様子を動画にしましたので、よろしければご覧ください。
貴婦人が優雅に使っていたであろう、小さなアンティークアイテム。
大切な方へのギフトに、もしくはご自身へのご褒美にいかがでしょうか。
◆England買付/France
◆推定製造年代:c.1900~1940年代頃
◆素材:ガラス・金属(シルバーの可能性)
◆サイズ:幅約4.3cm 長さ約9.11.2㎝ / 拡げた状態:幅約14.5cm 高さ約9.3㎝
◆重量:26g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に金属部の変色や経年変化などがみられますが、ガラス部分に目立つ傷はございません。
*開閉はスムーズです。閉じるときは所定の場所にゆっくりと納めてください。
*ケースは付属しません。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A