英国アンティーク、シルバーハンドルルーペ。
18世紀フランスの宮廷から生まれたロココ様式。
ルイ15世様式ともよばれ、当時の貴族や新富裕層の趣味を反映した非対称構成や曲線による軽快優美な表現を特徴とします。それまでの重々しいバロックとは異なり、ポンパドゥール夫人の趣味を筆頭にした、柔らかで優美、女性的なデザインが特徴といえるでしょう。
今回ご紹介するシルバーハンドルルーペのハンドル部分は、まさにそのロココ様式。
ひとめでロココ調の優美な雰囲気が伝わる凝った意匠が施されています。ロココ定番のモチーフであるCスクロールやアカンサス、小花文様がこれでもかと組み合わされ、ふっくらとした持ち手を華やかに演出しています。
さて、英国アンティークシルバーの印、ホールマークを見てみましょう。
左端はバーミンガムの王冠のマーク。次にスターリングシルバーの証、ライオンパサント。次がデイトレター。シールドに小文字の「i」と読めますので、バーミンガムでこの意匠は1908年となります。
また、メーカーズマークは「A&LLd」。これはバーミンガムの「Adie & Lovekin Ltd」のものです。1863年頃からAlfred Lovekin (1844-1912)とJames Adie (1840-1913)により開始された事業は、バーミンガムのSnape Streetに本拠地をもち、ビクトリアン、エドワーディアン、1920年代後半まで様々なシルバーアイテムを製作していました。
なお、レンズ部分は後年に付け替えられたものであると思われます。英国アンティークの拡大鏡は、このようにハンドルは活かしながらレンズ部分が付け替えられているものが多くあります。金属製のレンズ枠は太いものもありますが、このお品物はごく細いレンズ枠で仕上げられています。
全体長さは約11cmと、比較的こぶり。
レンズ直径は約4cmとなり、やや小さめではありますが十分実用に耐える大きさだと思います。
小さいながらもアンティークの醍醐味が詰まったシルバーのハンドルは、手に持つたびに歴史と伝統を感じ、使う悦びを感じさせてくれそう。
実用的かつ芸術的な、英国アンティークアイテムです。
◆England
◆Birmingham
◆推定製造年代:c.1908年
◆素材:スターリングシルバー、ガラス、金属
◆サイズ:全長約11.2㎝ レンズ部分直径約4cm
◆重量:20g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に微細な傷や汚れがみられますが、ガラス部分に目立つ傷はなく、とても良い状態です。
*レンズ部分は後年に付け替えられたものと思われます。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A