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Friday

ただそこに在る端正な暦 / Antique Silver Plate and Oak Desk Calendar

 英国アンティーク、デスクカレンダー。






















英国のアンティークフェアで手に入れた、オーク台座のデスクカレンダー。


シックなシルバープレートのフレームには2か所窓があり、なかに納められているのは歳月を経た紙のカレンダーです。12か月の月名の文字板と、1日づつ曜日をずらした7パターンの1日から31日までの文字板。これらを組み合わせれば、ひととおりのカレンダーとなる、という仕掛けです。(いつでも31日までありますが)背面は開くようになっており、内部の文字板を入れ替えられるようになっています。



また、よく見れば、上部の2つのつまみは、くるくる回るようになっています。実は、このデスクカレンダーにはかつてもう一つ機能がありました。


透明のフィルムが文字板の前にあり、巻物状になっていて、2つのつまみで動かす様になっていたのです。透明フィルムにはラインが横棒グラフのように描かれており、日が過ぎるごとにフィルムを巻き取れば、過ぎた日はラインで消されたように見える・・・という凝った仕掛けでした。


残念ながら買い付け時にはその仕掛けは失われておりましたが、カレンダーの文字板はすべて揃っており、十分ご使用いただくことができます(もう一度言います・いつでも31日までありますが)。



また、一部に以下の刻印が見られます。


MANCO PLATE   REG No.737685



まず、「MANCO PLATE」とは、バーミンガムのシルバースミス William James Myatt & Coによって名付けられたシルバープレート(銀メッキ)のこと。 1929年と1947年には英国産業博覧会にその名前で出品されており、ある種のブランドとして認知されていたようです。



また「REG No.737685」とはレジストレーションナンバーの事。

以前もご説明しましたが、少しレジストレーションナンバーのご紹介をさせていただきます。英国で製造された工業製品は、色々なことが読み取れるマークや番号を持っていることがあります。代表的なものはシルバーのホールマーク。ただ、シルバーでなくても、(ある程度)真面目な国民性のせいか、当時定められたマークをいちいちちゃんとつけている品物もあります。

たとえばダイヤモンドコード。1842年から1883年までは、ある範囲の工業製品につけられていたもので、ちゃんと読めればいつ、だれが作った製品なのかがわかります。

これが1884年から1965年まではシンプルにレジストレーション(レジスタード)・ナンバーとなります。


例えば1884年のRD Numberは「RDNO1」から「RDNO19755」まで。

1900年のRD Numberは「RDNO351202」から「RDNO368153」まで。

「D」及び「O」は上寄せで小さな文字となります。

そして、1929年のRD Numberは734370から751159まで。


今回のカレンダーにつけられている番号は「RDNO737685」ですので、1929年に登録された番号であることがわかります。

このこと、及び前述の「MANCO PLATE」のことから、このお品物は1929年及びその後数年くらいの製造なのではないかと推測いたします。



カレンダーとしてご使用いただくのはもちろん、写真立てや気に入ったカードなどを飾っていただくのもよろしいかと思います。


私事ではありますが、PCやスマホなどをいくら活用していても、どうしてもアナログな紙のカレンダーが欲しくなります。


触れたり、スィッチを入れたりしなくても、ぱっと見れる。いつもそこにじっと在る安心感。カレンダーとは、そんな存在でいてほしい、と思います。


共感いただける方、お待ちしております。




◆England

◆推定製造年代:c.1928年以降数年以内あたり

◆素材:木(オーク)・ガラス・金属(銀メッキ)・紙

◆サイズ:幅約15.1cm 奥行き約4.8cm 高さ約9.8cm

◆重量:約236g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色、ゆがみ等がみられます。

*嵌めてあるガラスにはカケがみられますが、外側からカケは見えません。

*詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。

Todd Lowrey Antiques

by d+A