英国アンティーク、テーブルベル。
英国の大きなアンティークフェアで手に入れたテーブルベル。
材はおそらくピューターで、黒銀色の鈍い光沢が渋い光を放っています。
興味深いのは持ち手の飾り。オーバルシェイプの紋章を、幼子がしっかりと抱えている様子が立体的に表現されています。
色々と調べましたが、この紋章をもつ町や家系の詳細は不明。
ただ、紋章学において、紋章の外形が盾(シールド)の場合、盾は武具であることから、聖職者はどちらかといえば楕円形のシェイプを好んだ・・・ということがわかりました。また、楕円の中の3つのモチーフ、下が丸くなった長方形は「Iverian」とよばれ、例えばスペインの国章に用いられているシェイプとなります。このことから、スペイン系の聖職者、もしくは教会の紋章なのかもしれない、と推測いたします。
また、幼児ですが、可能性としてはおそらく プット/Putto でしょう。
単体ではプット、複数になるとプッティ/Putti と呼ばれ、古典的なモチーフとして、石棺、エッチングや彫刻、そして絵画やフレスコ画など、宗教的、世俗的な芸術作品にしばしば登場します。
プットは、智天使/Cherub/ケルビム の別の姿であるとされます。ケルビムは、四つの顔と四つの翼を持つ怪物のような姿で描かれてきましたが、不老とされたのが誇張され、ルネサンス期にはそのまま描写するのではなく、愛らしい赤子の姿で描かれるようになりました。
ただし、天使の本来の宗教的意味は失われており、単なる飾りとして本質的には装飾的に描かれることが多かったようです。
なお、プットは天使らしく羽がある姿が多いのですが、羽が無い姿でも表現されることもしばしば見受けられ、厳密な決まりは無いようです。
今回のお品物の場合は、紋章を護る、象徴的なモチーフとしてプットが加えられたのかもしれません。
振ればきれいな音色が響きます。動画をアップいたしましたので、よろしければご確認ください。
いつまでも姿が変わらない永遠の幼子が護る、オーバルの紋章。
貴方のコレクションにいかがでしょうか。
◆England
◆推定製造年代:c.1900-1930年代
◆素材:ピューター
◆サイズ:直径約7.8cm 高さ約13.8cm
◆重量:163g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A