英国アンティーク、グローブボックス。
英国の大きなアンティークフェア。以前から何度か品物を買わせていただいている、Mr.Nのブース。
彼が得意とする主として木製のライティングスロープ、レターラックやブックスタンド等のなかに、この小箱はありました。
Mr.Nの流れるような説明が始まります。
「これはミッドヴィクトリアンのグローブボックス。材はローズウッド、ポイントにマザーオブパール。この線象嵌はピューターだね。良い品物だよ。ほら、鍵もある!」
・・・はい、おっしゃる通りでございます。
まず、「グローブボックス」とは文字通り「手袋を仕舞う箱」のこと。
グローブボックスがいつから存在していたのかは定かではありませんが、手袋をつけて外出することが紳士淑女のたしなみであったヴィクトリア時代には、色々な意匠のグローブボックスがつくられました。基本的には細長い形状で程よい深さがあり、手袋が上手く収められるような形状が大前提。
意匠的にはシンプルな木箱から、内張に凝ったシルクが使われて箱も象嵌細工や絵が描かれた凝ったものまで様々で、持ち主の多様さが伺えます。高級品は鍵付きで、中に仕舞われていた手袋もさぞ高価だったのではないかと思います。
さて、今回Mr.Nからから買い付けたグローブボックスは、その最高級品のうちのひとつ。
仕上げは高級素材ローズウッドで、蓋の中央にワンポイントでマザーオブパールが象嵌されています。しっかりと施錠できる鍵が付属しており、鍵穴の装飾もマザーオブパールです。
蓋の周囲には線象嵌が施されており、材はピューターとなっています。金属象嵌は木象嵌よりも手間と時間がかかる手法であり、それだけに異素材同士が作り上げる景色はより印象深いものとなって見る者の心に迫ります。
内部は本体部分はグリーンの塗装、そして蓋部分にはグリーンのシルククッションの内張となっています。底面はだいぶ傷んではおりますが、オリジナルと思われるジュートクロスのようなものが貼られています。このままのご紹介とさせていただきます。
作られた時代は古く、約150年前の1860年代頃、ミッドヴィクトリアンと推測いたします。
現代日本では大きさ的に筆記具などをいれていただいても丁度良いかと思いますが、もちろん手袋入れにしていただいても。鍵がかかるので、大切な物を仕舞っておくジュエリーボックスとしてもよろしいかもしれません。
ローズウッドの揺蕩う杢目、マザーオブパールの虹色の輝き、そしてピューターの渋い存在感。どれもが一体となって、ミッドヴィクトリアンの当時そのままの佇まいをみせています。
貴方の大切な物を仕舞う、貴重な箱。
使いこなして、大英帝国のミッドヴィクトリアンを追体験してはいかがでしょうか。
◆England
◆推定製造年代:c.1860年代頃
◆素材:ローズウッド、ピューター、マザーオブパール、他
◆サイズ(外寸):幅約24cm 奥行き約8.5cm 高さ約6cm
◆サイズ(内寸):幅約22.1cm 奥行き約6.7cm 深さ(蓋以外)約3.3cm
◆重量:298g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A