英国アンティーク、マザーオブパールとシルバーのハンドルを持つルーペ。
今回ご紹介する拡大鏡は、シルバーのバンドとマザーオブパール/Mother of Pearl の持ち手が印象的なお品物。
マザーオブパールは、白蝶貝などの体内で真珠を育む母貝のことで、その母貝の内側、真珠層を削り出して使用しています。その真珠層は幾千層もの積層部分で光が乱反射し、その奥底から光がにじむような照りが生まれ、奥行きのある深い光沢と、しっとりとした"光の肌触り"が堪能できます。マザーオブパールが放つ玉虫色は、光の干渉(発生源や周波数の似た光の相互に作用すること)と、散乱(光がそれぞれの色に分散すること)によって生じると考えられています。
この拡大鏡の持ち手のマザーオブパールはしっかりと厚みがあり、ことさら美しく真珠色を反射させています。
根本部分には薄茶色の層があり、それが全体を良い景色にみせています。そして上部と下部には豊穣の象徴ホタテ貝の彫刻が施されており、格式の高さを感じさせています。
英国アンティーク・シルバーにはホールマークを読み解く愉しみがつきものですが、この拡大鏡のフェルール/ferrule と呼ばれるシルバーの継ぎ手に、数個のホールマークをみることができます。
左端のメーカーズマークである「CB&S」は、シェフィールドの「Cooper Bros Sheffield」のもの。1866年にシェフィールドでWilliam Cooper 兄弟によって始まった「COOPER BROTHERS」。移転しながら事業を拡大し、1895年には会社化。シルバーのカトラリー類や銀メッキ製品を製造していました。44 Arundel Streetの社屋は三階建てで、ロンドンにもショールームがありました。
メーカーズマークの隣には、クラウンのマークにライオンパサント、そして、デイトレターが小文字の「 n 」。これらは1905年にシェフィールドのアセイオフィスで認可を受けたスターリングシルバーであることを表しています。
なお、レンズ部分は後年に付け替えられたものであると思われます。英国アンティークの拡大鏡は、このようにハンドルは活かしながらレンズ部分が付け替えられているものが多くあります。金属製のレンズ枠は太いものもありますが、このお品物はごく細いレンズ枠で仕上げられています。直径約5cm強のレンズはコンディションもよく、傷はほとんど見えませんので、十分にお使いいただけることと思います。
シルバーの輝きとマザーオブパールの人肌のようなしっとりとした質感をもつ英国アンティークの拡大鏡。
動かすたびにマザーオブパールの輝きは美しく表情が変わり、それを所有し使うことの悦びを感じさせてくれることでしょう。
◆England
◆Sheffield
◆推定製造年:c.1905年
◆素材:ガラス・金属・シルバー・白蝶貝
◆サイズ:全長約13.7㎝ レンズ部分直径約5cm
◆重量:49g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に微細な傷や汚れがみられますが、ガラス部分に目立つ傷はなく、とても良い状態です。
*レンズ部分は後年に付け替えられたものと思われます。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A