英国アンティーク、カトラリートレイ。
英国の大きなアンティークセンターで手に入れたカトラリートレイ。
「カトラリー/Cutlery」はフランス古語の「coutelerie」に由来する言葉で、食卓で使用するナイフやフォーク、スプーン類をいいます。
余談ではありますが、カトラリーの歴史を少しだけ調べてみました。
中世ヨーロッパでは基本食事は自身の手指を使って食べており、ナイフやフォーク、スプーンなどが使われだすのは比較的時間がかかりました。スプーンは宗教的な場で古くから使われていましたが、食卓で庶民が使いだしたのは17-18世紀頃といわれています。ナイフは12世紀頃に切り分ける為に食卓に登場しますが、個人用は15-16世紀頃。フォークは11世紀頃イタリアで食卓に上がりますが、英国では18世紀以降に使用されるようになったといわれています。
さて、そんなカトラリーとともにあったカトラリートレイ。
日本のようにお箸一つで済む訳ではないので、1回の食事にナイフ、フォーク、スプーンを食卓の人数分となるとかなりな数となります。カトラリートレイは、それらを効率よく仕舞っておくのに必要な生活用具でありました。高級品のシルバーはぞれなりのケースが用意されていましたが、庶民が日々使用する合金のものは、ざっくりとまとめて、カトラリートレイに入れるのが一般的だったようです。
アンティークでカトラリートレイはひとつの定番。基本的には仕切りがあり、2つもしくは3つの小部屋にわかれており、持ち手がついているのがお約束。木製で、材はパイン、オーク、マホガニー等が多く見られます。
さて、今回のお品物を見てみましょう。
木製で3つの小部屋に分かれており、持ち手がついたカトラリートレイの王道をいくフォルムをしております。重さは800g超とやや重め、材はおそらくオークでしょう。
特に装飾や彫がある訳ではないのですが、無垢材を使用し、角部分は組み接ぎとなっており、丁寧な仕事ぶりが伺えます。底部分の板もほぞ組みで、経年の木の収縮により若干隙間があいておりますが、まだまだ問題なくご使用いただけるかと思います。作られた年代は古く、20世紀初頭と推察いたします。
スタンダードなナイフが約23cm程度ですので、大体のカトラリーが納まりそう。
布などを敷いてカトラリートレイとしてご使用いただいてもよろしいですし、テーブル周りに置いて小物入れや、工具入れなどにも最適。仕切りと持ち手が意外と便利にお使いいただけること請け合いの、実用的なアンティークアイテムです。
歳月と共により深みを増す木の質感と共にお愉しみください。
◆England
◆推定製造年代:c.1900-1930年代頃
◆素材:木(おそらくオーク)
◆サイズ:幅約37.9cm 奥行き約24cm 高さ約6.9-9.5cm
◆重量:824g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、材の欠けや変色、隙間やワレ等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*釘打ちの部分もございます。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A