英国アンティーク、真鍮製パケットホルダー。
英国ヴィクトリア時代の薬局、どんな感じだったか想像してみたことはありますか?
もちろん私も見たことはないのですけども・・・
ある資料の様子からお伝えいたしましょう。まずは大きなカウンターがあり、カウンター奥の大きな棚には数多くの硝子瓶が整然と並んでいます。カウンターには秤、ビーカー、鉢とスリコギなどがあり、カウンター前には客が待つための椅子などが設えられています。
この時代の薬局は、現代の薬局とは全く異なる機能をもっていました。客に渡す薬は、医師の処方箋をみながら薬剤師によって全て「その場で」調合され、液体は個別の小さなガラス瓶に、粉末はその場で紙包されて渡されていたのです。
英国アンティークの定番の一つ、ガラス瓶はこんな時に使用されていたので、数多く見ることが出来ます。そして紙包はもちろん残っていないのですが・・・。
今回ご紹介するのは、その「粉末薬の紙包(パケット)」を作るためのフォルダースタンドです。
使い方としては、既に必要な分量の粉末薬を盛った紙片を、ちょうど良い角度に開いたスタンドの上に乗せ、ぎゅっと辺を押して跡をつけて、きちんと折りたたむ・・・というもの。
(正直いまいちよく分かりませんが)
当時の薬剤師は自分の仕事に非常に誇りをもっており(もちろん現代でもそうでしょうけれども)、客に提供するものはたとえ紙包でもきちんとした折り目のついた均一な品物を提供すべく、このようなスタンドを使用したとのことです。
それにしても、小さいとはいえパーツは真鍮を削り出したもので、ずっしりと重く、かなりな重量に耐えられそうな迫力を持っています。始めて見たときは「なんだろうこれは、ウィンチかな」などと言いながらディーラーに使い方を聞いて「紙を折りたたむためだけにこんな分厚い真鍮を何故使う!?」と驚きました。よっぽどすごい力で紙を抑え、折り目をつける必要があったのかもしれません・・・。
参考までに、英国サイエンスミュージアムグループのコレクションに、非常によく似たものがございましたのでご覧ください。
「Adjustable packet folder made by S. Maw, Son and Sons Ltd」の頁
これによると年代は1850-1900年頃となっています。今回ご紹介するものは、特にメーカー名などはございませんが、機能としては同じものですので、このくらいの製造年代としてご紹介させていただきます。
申し訳ないのですが、現代日本での使い方は不明。
ずしりと重い真鍮の質感と、かつての使い勝手を想像しつつ、新しい使い方を模索してみるのも一興かと思うのですが、いかがでしょうか。
◆England
◆推定製造年代:c.1850-1900年代頃
◆素材:真鍮
◆折りたたみ時最小サイズ:幅約4.5cm 奥行き約6cm 高さ約9.1cm
◆広げた時最大サイズ:幅約11.3cm 奥行き約6cm 高さ約4.1cm
(最大に広げた時、爪に引っかかりは出来ません)
◆重量:182g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A