英国アンティーク、馬脚の持ち手とシルバーカラーを持つウォーキングステッキ。
大きなアンティークフェアが定期的に行われるノッティンガムシャー。
郊外にある風車が目印のホテル、その宴会場を利用して時折行われる小さなアンティークフェアは、出店者数は多くないながらも、クオリティの高い本気のディーラーが軒を揃えていて、スケジュールが合えば必ず足を運ぶようにしています。
今回そこで手に入れたのは、豊かなバリトンをもつおじ様おすすめの1本の杖。
「これはいい杖だよ!珍しい。ここはスターリングシルバーだし、ハンドルはホーンだ。」
確かに、見たことが無いタイプの杖でした。馬の脚を模したハンドルには、金属製の蹄鉄までついており、作り手のこだわりと遊び心を感じることができます。手に取ってみれば、しっとりとした質感を持つハンドルと、全体的に黒い色合いにワンポイントの輝くシルバーが印象的で、どうしても手に入れたくなってしまいました。
蹄鉄/ホースシューは、ヨーロッパでは「幸運を呼ぶ」そして「魔除け」の意味があり、とても好まれるモチーフとなっています。
由来は諸説ありますが、例えば後にカンタベリー大司教となった鍛冶屋の聖ダンステンが 悪魔から馬の蹄鉄を修理するよう頼まれた際、悪魔の足に蹄鉄を打ち付け、痛がる悪魔に、扉に蹄鉄が留められているときは絶対中に入らないという約束を取り付け、ようやく蹄鉄を取り外してやったことから悪魔除けとされた・・・という説がございます。
そんなことから、蹄鉄は扉の上や扉自体に取り付けたり、お部屋の梁に掛けたりと、古くから親しまれてきたラッキーアイテムなのです。そんな蹄鉄がついた馬の脚モチーフは、更なる強力なアイテムとして、喜ばれてきたことでしょう。
シャフトは木製。
一見して黒色ですが、塗りつぶしではなく、木目をみることが出来る仕上がりです。やや重く、先端にいけばかなり細めとなっているにもかかわらず、体重をかけてもほとんどしならず、かなりな硬度をもつことから、おそらく黒檀系の木と思われます。黒檀はカキノキ属の材であり、黒檀系と言われるアマラ黒檀やカリマンタン黒檀もカキノキ属で同じ仲間ですが、アフリカンブラックウッドになるとマメ科で紫檀などと同じ仲間になります。見た目が黒くて似ているため、黒檀系として流通しており、厳密な材の特定は難しいため、ここでは「黒檀系」としてご紹介させていただきます。
カラー部分のスターリングシルバーはホールマークが確認できます。右からバーミンガムの錨、次のデイトレターはかなりすり減っていて推測が混じりますが、1896年の「m」ではないかと思われます。隣がスターリングシルバーの証ライオンパサント。次にメーカーズマークらしきものもありますが、とても判別は出来ませんでした。
馬を愛した紳士が持っていたであろう、馬の脚モチーフのステッキ。
幸運を呼ぶアイテムで飾られた1本は、街歩きはもちろん、大好きな競馬に行くときにも携えていたお気に入りだったのかもしれません。
これからは是非貴方のお手元で。
魔から護られ、更なる幸運を呼びこむために必要なものかと思うのですが、いかがでしょうか。
◆England
◆Birmingham
◆推定製造年代:c.1896年
◆素材:スターリングシルバー、角、木(おそらく黒檀系)
◆サイズ:長さ約84.5cm グリップ幅約11.5cm
◆重量:243g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*石突には若干の傷みがみられます。実際にご使用になる際は滑り止めのゴムキャップ等をつけることをお勧めいたします。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。
Todd Lowrey Antiques
by d+A