英国アンティーク、スターリングシルバーがポイントでついた大曲ステッキ。
今回ご紹介するステッキは、シャフトがクルーク・ハンドル=大曲りとなっているステッキ。
このタイプのグリップは、持ちやすく、ちょっとした時に手に掛けておきやすい実用性で長年人気の定番となっているフォルムです。
ここで気になるのは、このステッキの表面にある独特の文様。
英国のアンティークセンターで見つけたときは、「ひょっとしてスネークウッド?」とドキドキしながら手に取りました。しかしよくよく見ればわずかにある傷みで塗装が無い部分は杢目が無いように見え、恐らくこれは「スネークウッド調」に塗装されたステッキであろう、と推測いたしました。ただ、フォルムは美しく、スターリングシルバーのホールマークも確認できましたので、少し変わったステッキとして手に入れてみました。
さて、ステッキをお好きな方、木にお詳しい方はスネークウッドのことはご存じかと思います。
日本語では蛇紋木(じゃもんぼく)、英語の別名はレターウッド。文字通り蛇の鱗、もしくは「レター=文字」のように見える不規則な斑状の杢目をもつ木です。原産は南米、クワ科の中型樹で、材は重く硬質。ワレなどが多く、大きな材が取りにくく希少な事、独特な杢目をもつ事、等からステッキの王と呼ばれています。
英国アンティークでも、スネークウッドのステッキは僅かですがみかけることがございます。南米ギアナやホンジュラスはかつて英国の植民地だったため、そのルートで入ってきていたのかもしれません。現在はもちろん、100年前も同じく、なかなか手に入らない憧れのステッキであったことと思います。
おそらくこのステッキは、その憧れのスネークウッドのように見せるべく、こまかな斑文様を施したものかと思われます。
比較的軽く、体重をかければごくわずかにしなりますが、しっかりとした印象です。石突部分は真鍮と金属のキャップが取り付けられています。英国買い付け時からついていたもので、現状安定してついておりますが、実際にご使用になる際は滑り止めにゴムキャップなどをつけることをお勧めいたします。
また、持ち手の先端にはスターリングシルバーがポイントで取り付けられています。左端がライオンパサント、次は豹、右端はおそらく[k]の小文字となっています。これは1925年にロンドンのアセイオフィスで認可をうけたスターリングシルバーであるということ。ホールマーク自体がかなりすり減っておりますので、若干の推測も混じっておりますが、まず間違いない範囲かと思います。
スネークウッド「風」とはいっても、思わず二度見したくなる珍しい表情をもつ一本は、多くの注目を集めることでしょう。そこから始まる会話が、貴方にまた新しい縁を運んでくるかもしれません。
英国アンティークの類まれなひとしなを、是非お手元でご鑑賞ください。
◆England
◆London
◆推定製造年代:c.1925年
◆素材:スターリングシルバー、木
◆サイズ:全長約87.7cm 持ち手幅約12cm
◆重量:208g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A