Search This Blog

Friday

「日の名残り」の時代から端正なひと振りを / Antique Walking Stick with Sterling Silver Grip

 英国アンティーク、スターリングシルバーのグリップを持つステッキ。

















しっかりしたノブ型のグリップを持つ、漆黒のステッキ。



シャフト部分は木製ですが、黒く塗装されており、家具の仕上げなどでもよく見られる「エボナイズド」仕上げとなっています。エボニーとは黒檀のことで、黒檀のように仕上げることをエボナイズドとよびます。

遥か東洋からやってきた黒檀の装飾品に驚嘆した、かつての富裕層やキャビネットメーカーが生み出した仕上げのひとつです。エボナイズド仕上げに黄金色のオルモルを合わせたり、セーブルの陶板をはめ込んだりしたキャビネットは、最高級品として英国やフランスの王侯貴族たちに愛されてきました。



ノブ型のグリップは、チェッカーパターンが施されており、握りやすく美しいフォルム。

グリップ側面にはホールマークが確認できます。かなり判別しづらいですが、横向きのライオンパサントと、中央に凸部が集まったアセイオフィスのマークはおそらくロンドンと思われます。隣のデイトレターは特殊な字形で、おそらく1920年の「e」もしくは1921年の「f」と思われます。メーカーズマークは「F.A」。ロンドンのシルバースミス、「Francis Adams」のものと思われます。



比較的軽く、体重をかけてもあまりしならず、しっかりとした印象です。

石突部分には金属製のキャップがかぶせられておりますが、かなりすり減り、端部は木が露出しておりますので、実際にご使用になる際は、ゴムのキャップをかぶせていただいたほうがよろしいかと思います。




このステッキが作られた1920年代と言えば、第一次大戦がおわり、英国もきたるべき近代化の波に洗われていた時代。

ジョージ5世の治世下ではありますが、1924年には労働党内閣ができるなど国際事情、政治状況にも新たな展開が訪れつつありました。

小説「日の名残り」やテレビドラマ「ダウントン・アビー」の時代でもあります。

恐らく、紳士が日常的にステッキを持ち歩いていた最後の時代といえるかもしれません。



ブラックとシルバーのコントラストが美しく、毅然とした佇まいをもつ1本。飾らずに、でも質の良い物を選び抜いて身の回りを整える、真面目な英国紳士の姿が目に浮かびます。



英国紳士の矜持を感じさせる端正な一品。

貴方のお手元にいかがでしょうか。





◆England

◆推定製造年代:c.1920-1921年

◆素材:スターリングシルバー、木

◆サイズ:全長約92cm グリップ直径約4.2cm

◆重量:189g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、アタリや変色等がみられます。

*シルバーの部分に一部傷みがみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。

Todd Lowrey Antiques

by d+A