英国ヴィンテージ、シルバーハンドルルーペ。
今回ご紹介する拡大鏡は、シルバーのハンドルが、八角形の付け根から、エンドに向かって表情とフォルムが変化する個性的な意匠をもつひとしな。
その変化する部分は巧みにフルーティング(縦溝)が施され、やがては曲線となりエンドのホタテ貝へと繋がっていきます。
ヨーロッパにおいてホタテ貝は信仰と豊穣の象徴であり、とても縁起が良いモチーフ。
ギリシャ神話のヴィーナスとともに描かれた有名な絵画もあり、古くから親しまれているモチーフでもあります。
英国のシルバーアイテムにはホールマークを読み解く愉しみがつきものですが、このルーペにも、持ち手の付け根近くに、数個のホールマークをみることができます。
メーカーズマークである EV は、英国の Viners Ltd. のもの。
1901年に Adolphe Viener と彼の息子が、英国のシェフィールドで事業を立ち上げました。
Adolphe Viener は、後にナイトの称号を得ますが、元々は昔ながらの小さな工房で銀細工師として働いていました。
第二次世界大戦後、事業は成功し、カトラリー、銀食器の製造では、シェフィールドで最も大きな会社となりましたが、それまでは、軍の依頼で銃剣なども制作していたようです。
会社は、Adolphe の息子 Ruben Viner によって、アイルランド、フランス、オーストラリアへも事業を拡大していきました。
メーカーズマークに話を戻しますが、 Viners Ltd. のホールマークは、1932年に、Ruben Viner の息子である Edward Viner の頭文字から"E.V"とされ、その後、"EV"に改められたそうです。
メーカーズマーク隣のクラウンのマーク、1975年まではシェフィールドのシルバーを示すもので、ライオン、そして大文字のRのマークは、1959年にシェフィールドのアセイオフィスで認可を受けたシルバーであることを証明しています。
なお、レンズ部分は後年に付け替えられたものであると思われます。
英国の古い拡大鏡は、このようにハンドルは活かしながら、傷つきがちなレンズ部分のみ付け替えられているものがほとんど。
金属製のレンズ枠は太いものもありますが、このお品物はごく細いレンズ枠で仕上げられています。
直径約4cmのレンズはコンディションもよく、傷はほとんど見えませんので、十分にお使いいただけることと思います。
全体長さ約12cmですので、ややこぶりでデスクに置いても邪魔にならないサイズなのではないでしょうか。
輝くシルバーと精緻で優美な装飾が美しい机上の逸品。
いつまでも変わらない価値をもつ、実用的な英国ヴィンテージのひと品です。
◆England
◆Viners Ltd - Edward Viner
◆推定製造年:c.1959年
◆素材:ガラス・金属・シルバー
◆サイズ:幅約4.1㎝ 長さ約11.9cm 持ち手厚さ約1cm
◆重量:26g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に微細な傷や汚れがみられますが、ガラス部分に目立つ傷はなく、とても良い状態です。
*レンズ部分は後年に付け替えられたものと思われます。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A