英国アンティーク、シルバー アルバート・チェーン。
英国のマーケットで手に入れた懐中時計用のシルバーチェーン。
英国では、懐中時計用のチェーンを Albert Watch Chain と表現します。
ヴィクトリア女王の配偶者であった、アルバート公(1819-1861)が身に着けていたことから、そう名付けられました。
懐中時計は17世紀に登場し、1675年頃にチャールズ2世が waistcoat(ベスト)に忍ばせて大衆化したと言われていますが、興味深いことに、16世紀のヨーロッパにおいて時計用のチェーンは、時計を首からぶら下げるスタイルのチェーンが始まりのようで、いわゆる懐中時計用のチェーンはその後に一般化し、アルバートチェーンと呼ばれるようになったのも近年になってからです。
チェーン片側の端のTバーをベストのボタンホールに通し、もう一方の端の留め具を懐中時計のリングに留めるのが、最も一般的な「Single Albert Watch Chain」。
もう少し装飾的になると、Tバーにもう一本短いチェーンが付いていて、チャーム(フォブ)やロケットなどのアクセサリーを留めるスタイルのものもあります。
留め具の付いた同じ長さの2本のチェーンのものは「Double Albert Watch Chain」と呼び、1本は懐中時計専用、もう1本は時計用の鍵を留めていましたが、時代の移り変わりと共に、ポケットナイフ、コンパス、シガレットケース、マッチケース、万年筆など、好みのアクセサリーを留めるようになりました。
ヴィクトリア朝時代に、上昇志向を持つあらゆる英国紳士の必需品として極めたアルバートチェーンでしたが、腕時計の台頭によって、懐中時計の需要は衰退していきました。
しかし、アルバートチェーンは富と階級のシンボルとして存在し続け、今日に至ります。
今回ご紹介するのはそんな歴史を持つ「Single Albert Watch Chain」。
Tバーと留め具以外、チェーンは全てスターリングシルバー、コマのひとつひとつに、Lion Passant(ライオンパサント)のマークが刻印されています。
英国においてスターリングシルバー(銀の純度92.5%)はホールマークによって管理されていますが、ライオンパサントは、現在でもロンドン、バーミンガム、シェフィールドのアセイオフィスで使用されている、スターリングシルバーを示すスタンダードマークです。
残念ながらTバーと留め具部分にはマークがなく、そのためアセイオフィスやメーカー名、年代などは不明。
ただ、販売していた英国のディーラーによれば恐らくヴィクトリア時代のものであろう、とのことでしたので、そのように紹介させていただきます。
もちろん懐中時計やコンパスなどに留め、ベストからぶら下げ英国紳士を気取っても格好良いですが、キーチェーン、ウォレットチェーンなどとして腰からぶら下げても様になる一品です。
ヴィクトリア朝時代の紳士の必需品として、その質感は100年以上の時を経ても衰えないスターリングシルバーのアルバート・チェーン。
大切な方への贈り物、もしくはご自身へのご褒美にいかがでしょうか。
◆England
◆推定製造年:c.1850-1899年代頃
◆素材:スターリングシルバー、金属
◆サイズ:長さ約34.4cm
◆重量:25g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に微細な傷や金属部の経年変化がみられますが、目立つ傷はなく、とても良い状態です。
*スターリングシルバーのマークがついているのはチェーン部分のみです。
*詳細は画像にてご確認ください。
*チェーンのみの販売です。ポケットウォッチは付属しません。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A