英国アンティーク、ウォーキングステッキ。
17世紀、男性が剣を持たなくなった代わりに持ちはじめたといわれるステッキ。
剣のかわりにステッキを、盾のかわりに帽子を持った英国紳士は、武器であり装飾品であるそれらにどれほどの愛着を持っていたのでしょうか。
今回ご紹介するのは、その愛着のほどがわかる素晴らしいアンティークのステッキです。
目を惹く特徴的な杢目と、ポイントのシルバーの輝き。ごつごつした杢目を持つシャフトの荒々しさをシルバーが品よく纏めており、さぞこだわりを持つ紳士が愛用していたのではないかと思わされます。
まずはシルバーのホールマークを確認してみましょう。
グリップの先端のクラウンは特徴的なフォルムを持っており、いかめしさの中に風格を感じさせる仕上がりです。クラウンのホールマークは、一番左端にスターリングシルバーの証、ライオンパサント。次はチェスターのアセイオフィスのマーク。もともと市の紋章からきたデザインといわれています。そして右端のデイトレターは大文字筆記体の「I」と思われます。
チェスターでこの字体の「I」のデイトレターが使われていたのは1909年。つまり、このステッキは1909年にチェスターのアセイオフィスで認可を受けたスターリングシルバーを持つことがわかります。
上部には「C.W」と読める刻印があり、これはおそらく「Christopher Walker」のメーカーズマーク。パラソルのハンドルやステッキの飾りなどを製造していたシルバースミスです。
なお、カラー部分にも同様のホールマークが確認できます。どちらにもシルバーには手彫りの唐草文様が施されており、大胆さの中に細やかな仕事ぶりを感じることが出来ます。
そして特徴的なシャフト。
このシャフトは「HOLLY/ホーリー/セイヨウヒイラギ」です。
緑色のトゲトゲの葉に赤い実をもつ、セイヨウヒイラギ。常緑で真冬に赤い実をつけることから、ヨーロッパではキリスト教以前から聖木とされてきました。
また、イタリアの古い習慣で農業の神(サトゥルヌス)を祭る際、この葉を用いたとされることから、別名サトゥルヌスの木と呼ばれ、セイヨウヒイラギを飾るのはキリスト教が広まったのちはクリスマスの風習に引き継がれたとされています。
キリスト教では、キリストの足元から初めて生えた植物とされ、トゲトゲの葉や赤い実はキリストの流した血と苦悩を表すとされます。そこから別名「キリストの刺」「聖なる木」とも呼ばれ、幸運や成功、魔除けの象徴とされてきました。セイヨウヒイラギの英名が「HOLLY」であるのも納得です。
ちなみに英国の作家J・K・ローリングによる「ハリー・ポッター」シリーズにおいて、ハリーが持つ杖は「ヒイラギ製で芯は不死鳥の羽根」。
主人公に相応しい、良い意味での最強の魔力をもつということなのではないでしょうか。
HOLLY TREEならではの自然な突起をそのまま活かしたシャフトに、スターリングシルバーのカラーとクラウンを施した、エドワーディアンのウォーキングステッキ。
幸運や成功、魔除けの意味を持つ聖なる木と、輝く銀との組み合わせを持つ100年以上前の1本は、貴方の最高の相棒となってくれることでしょう。
◆England
◆Chester
◆推定製造年代:c.1909年
◆素材:木・スターリングシルバー・他
◆サイズ:長さ約89.8cm 持ち手幅約13cm
◆重量:250g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*シャフトはずっしりと太めでしっかりとしています。
*石突部分には滑り止めのゴムカバーをおつけしております。外すことも可能です。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A