ドイツアンティーク、ビスクドール。
英国の大きなアンティークフェア。
1日しか開催されないフェア、しかも大嵐という最悪のコンディション。そんななかでも頑張って出店していた、白い大きなテントの中には、風から品物を護るようにブロンドのマダムがシートを抑えておりました。
テントの中はステッキから家具、アクセサリーや小物類までこだわりのセレクトで揃えており、英国を中心にフランスや他のヨーロッパのものが多くありました。私たちは彼女から何点かの品物を買い受けるのですが、その時に気になっていたのが、この小さな人形。
ふっくら可愛いベイビーが、腕にとまった昆虫を今にも捕まえる・・・ようなそぶりを見せています。可愛いのか、怖いのか、どう感じてよいか分からなくなる、心揺さぶられる作品でした。実はその時は判断がつかず、とりあえず他の物だけを買った私たち。
それでもその後、「ああ、なんであの人形を買っておかなかったんだろう」と心から後悔いたしました。
そして数日後、違うフェアに行ったとき、再びそのマダムに出会います。もう迷わず、ついに可愛く怖いベイビーを手に入れることが出来たのでした・・・。(実はその数日後、みたびそのマダムに会いましたが(苦笑))
マダムによれば、このベイビーはドイツの「Galluba & Hoffmann」、今世紀初めころの作品とのこと。残念ながら窯元のマークなどはございませんが、同年代の同社の品物を調べれば、よく似たベイビーのビスクドールを見つけることが出来ます。
「Galluba & Hoffmann」とは、1888年から1937年までドイツ中部、Thuringia/テューリンゲンにあった人形工房のこと。
19世紀後半、もともとはクリスマス用の飾りとしてマジパンなどで作られていた「Snow Baby」という赤ちゃんの人形を「Hertwig and Company」がビスクドールで表現します。これがあたったため、多くのドイツの工房が製作を開始。そのなかでも「Galluba & Hoffmann」の人形は大層人気だったといいます。「Galluba & Hoffmann」はファッションドールも製作していましたが、やはりお得意なのはこのようなベイビーだった、ということかもしれません。
白く透けるような肌と薔薇色の頬を持つ小さなベイビーは、持ちあげると驚くほど軽く、乾いた質感を持っています。そっと置いて眺めれば、白い肌と黒い虫の対比が鮮やかで、今にも動き出しそうな表情に目が離せません。
ぜひ貴方の手元で、永遠に切り取られた瞬間を目撃してください。
◆Germany
◆推定製造年代:c.1900-1910年代頃
◆素材:磁器
◆サイズ:約8×4.7cm 高さ約9cm
◆重量:67g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ等がみられます。
*カケやヒビはみあたりません。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A