英国ヴィンテージ、鉛のチェス駒セット。
英国の大きなアンティークセンターで手に入れたチェスセットは、珍しくも駒がすべて「lead/鉛」で出来ていました。
箱のタイトルは「The Rose Chess」。
MiddlesexのMrs Mildred Roseによって1942年にパテントをとり、製造された「The Rose Chess」は、スタントンスタイルの鉛のチェスセットで、数種類の大きさのバリエーションがありました。今回ご紹介する「No.1」はそのなかでも一番大きな箱のシリーズであったようです。
チェス駒には様々なスタイルがあります。
ロンドンのセントジョージ・チェスクラブで1840年頃から使われていた駒のデザインであったことから名づけられたセントジョージスタイル。チェスゲームで人気があったパリのカフェ・デ・ラ・リージェンス/Cafe de la Regenceにちなんで名づけられたリージェンシースタイル。
そして今回ご紹介する「スタントン・スタイル」は、現在も公式に使われている駒の形で、第一回ロンドン国際大会・1851年から使われているもの。それまではまちまちの形をしたチェス駒が使われて、よく問題が起こっていたそうです。
この駒の形に決めたのが、当時世界最強プレイヤーといわれていた英国人Howard Staunton/ハワード・スタントン(1810-1874)。それ以来、このようなスタイル・形をスタントンスタイルとよぶようになりました。現在、最もメジャーなスタイルといってもよいでしょう。
このスタントンスタイルをベースに、鉛という材を活かしてフラットな形状でデザインされたチェスセットは、小さいながらもずっしりと重く、オブジェとしても楽しめそうな雰囲気をもっております。
最後に、デンマークのプロチェスプレイヤー、ベント・ラーセン/Bent Larsen(1935-2010)の名言をご紹介いたしましょう。
「Chess is a beautiful mistress to whom we keep coming back, no matter how many times she rejects us.」
「私達は何度拒絶されても彼女のもとへ戻ってしまう・・・美しき女主人、それがチェス。」
ミセス・ローズによる美しきチェスセットを眺めながら、やや自虐的な想いに耽るのもよろしいかもしれません。
◆England
◆推定製造年代:c.1940-1950年代頃
◆駒の素材:鉛
◆外箱サイズ:幅約17.9cm 奥行き約11.4cm 高さ約3.5cm
◆キング駒サイズ:高さ約6.2cm 幅約1.9cm 奥行約1.9cm
◆ポーン駒サイズ:高さ約2.8cm 幅約1.6cm 奥行約0.8cm
◆重量:742g(駒をすべて入れた箱の重量)
◆在庫数:1セットのみ
【NOTE】
*チェス駒32ピースと外箱1点、セットでのお品物です。
*チェスボードは付属しません。
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色、塗装の剥げ、外箱には傷みや書き込み等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*塗装は徐々に剥げてくる可能性がございますことをご了承ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A