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Friday

三分半で煙突掃除 / Antique Hour Glass Figure "Chimney Sweeper"

 英国買付アンティーク、砂時計。













英国の大きなアンティークセンターで手に入れた砂時計。

面白いのは、黒ずくめの服をした人形が砂時計となっていること。


黒い帽子、黒づくめの服、そして梯子。これは「煙突掃除人」です。


英国においては1200年頃から登場したといわれている煙突。始めは家に1つだけだった暖炉と煙突は、時代が過ぎるにしたがって多くなり、煙突も細く複雑化していきます。

直角もしくは鋭角に曲がった煙道も多く、通風のために狭かったため、そこを掃除するにはかなりな危険が伴いました。煤は貴重品でありましたが、日常的に吸って触れていれば健康上に問題をきたすため、あらゆる意味で煙突掃除人は非常に危険な職業でありました。


そんな危険な仕事に従事している彼らは、一方で幸運のシンボルともされています。



ひとつの由来はサンタクロースにまつわるもの。


サンタクロースのモデルは「聖ニコラウス」。ニコラウスは、4世紀、小アジアのミュラという地で司教を務めたといわれており、貧しい人を哀れみ、善行を行っていたことで知られており死後、聖人としてあがめられるようになります。


聖ニコラウスにはこんな伝説があります。ある貧しい家の娘が、お金がないことで結婚できずにいるところを憐れんだニコラウスは、煙突から金貨を投げ入れます。そしてその金貨は、暖炉のところに吊るされていた靴下の中に落ち、娘はその金貨のおかげで、結婚式を挙げられたとか。これが暖炉につるす靴下の始まりであり、煙突は天の神様 地の神様を結ぶ架け橋とされました。そこを綺麗にする煙突掃除人は幸運のシンボルなった・・・というもの。


また一方で、あまりにも危険な仕事であったため、元気で(生きて)いる彼らを見かけること=幸運、と捉えられた、という説もございます。



そんな煙突掃除人をモチーフにした砂時計。

梯子をかつぎ、帽子をかぶって勇ましく仕事に向かう様子が表現されています。脇に取り付けられたガラスの砂時計は、中心が金物でとめられており、くるくる回るようになっています。そっとひっくり返せば、約三分半で砂が綺麗に落ちきるようになっております。


動画をアップいたしましたのでよろしければご確認ください。



底面には「Foreign」の文字。「外国の」という意味ですが、英国で販売されていた陶器類や機器類にしばしば登場する表示で、例えばフランスやドイツなどで作られたものをこのように表示していることがございます。今回のお品物は陶器ですので、ドイツあたりかもしれません。


危険な仕事であった煙突掃除、そしてそれをくるみ込むように幸運のシンボルとするヨーロッパ文化。歴史と人々の想いを考えながら、流れ落ちる砂を眺める。


そんなひとときを過ごしていただきたく、貴方にお届けいたします。




◆England買付

◆推定製造年代:c.1930-1950年代頃

◆素材:陶器、ガラス、砂、金属

◆サイズ:高さ約8.1cm

◆重量:65g

◆在庫数:1点のみ




【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*欠けやヒビはございません。

*砂時計は回転する際に方向によって少し人形に引っ掛かります。様子を見ながらそっと回してください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。




アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。

Todd Lowrey Antiques

by d+A