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アメリカ陸軍工兵隊へスイスから贈られた高性能デバイス / Antique Cruchon & Emons Mirror Sighting Compass

 スイスアンティーク、マーチングコンパス。

























アンティークのコンパスは世界中にコレクターが多く、特にミリタリー/アーミーコンパスは人気で、リプロダクションでもその完成度は高く本格的ですが、やはりオリジナルのもつ独特の風合いは別格です。


今回は、アメリカ陸軍工兵隊(United States Army Corps of Engineers)が第一次世界大戦中に使用していたマーチングコンパスをご紹介します。


このモデルは、スイス連邦の首都である Berne/ベルン の Cruchon & Emons/クルション&エモンズ社 によって、1918年頃に製造されたもので、シリアルナンバー50631の刻印がされています。


これ以前のコンパスは米国製で信頼性が低いことで有名でしたが、このスイス製のモデルは米国で最初の信頼性の高いコンパスになったと言われています。


ミリタリーコンパスには、蓋の裏側が全面ミラーになっているタイプもありますが、このモデルは蓋に設けられた三角形状の開口にその最大の特徴が隠されており、蓋を開けて裏側を見ると、その開口の真下にミラーのように磨かれた円形の真鍮プレートがはめられています。


'Signal and Sighting Mirror'とも呼ばれるこの真鍮の円形ミラーは、光を反射させて合図を送るなどの使い方もありますが、主な機能は方位確認です。

その使い方は、リングのある反対側から見て、シグナルミラーにダイヤルフェイスが映るよう、蓋を60°前後に角度を調整し、ガンサイト(gun sight)さながら三角形の開口に設けられたV字の突起(v-notch)と、その先の目標物に照準を合わせて方向や行先を定めます。

下に向けたリングに、片手の親指を通し、拳を握ると同時に折り曲げた人差し指にコンパスの底面を載せるようにして v-notch を覗き込むようにします。


ダイヤルフェイスはアルミニウム製で、表面はオリジナルのアイボリーラジウム塗料で塗装されています。真北を指す金色の矢印と、各方位を示す視認性抜群の少し大きめの黒い文字が印象的で、4つの方位に加え、細かい目盛りと数字がさらなる絞り込みに有効となります。


ベゼルリングは回転式になっているので(rotating bezelring)、ベゼルリングのギザギザに2本の指を添え少し力を加えると回転します。ガラス面の長方形の印を地図上の南北ラインに合わせるなどして活用します。


蓋はしっかりと閉まり、閉じられるたびに蓋の側面に取り付けられた金具によってコンパスカードを固定するためのノブがロックされる、自動ダイヤルセキュアは、内部の損傷を防ぐための装備として有効な機能です。


真鍮製のケース表面は、1世紀を経た現在でも、とても素敵な古艶(patina)をまとっており、深い傷や欠損は見受けられません。


第一次世界大戦後、このモデルはアウトドア愛好家や大自然の旅行者などの間で人気となり、1920年代から30年代にかけて、当時、高品質なキャンプ・狩猟関連用品を扱っていた アバクロ/Abercrombie & Fitch が、この Cruchon & Emons のモデルに非常によく似たコンパスを販売し、このタイプのコンパス人気が何十年も衰えなかったことを証明したと言われています。


そんな、どこかファッション性も感じる、スイス製のマーチングコンパス。

是非貴方のコレクションに加えてみてはいかがでしょうか。


◆Switzerland

◆推定製造年:c.1918年頃

◆素材:ガラス・真鍮

◆サイズ:幅約5.4cm 全長約5.4㎝ 厚さ約1.9cm

◆重量:75g 

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に微細な傷や汚れ、金属部の経年変化等がみられますが、ガラス部分に目立つ傷はなく、動作も正常です。

*詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。



アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。

Todd Lowrey Antiques

by d+A