英国アンティーク、インク瓶。
英国アンティークの定番のひとつ、ガラスボトル。
その中でもインク瓶は大量に作られたことから、手に入りやすいアイテムです。
ただ、多くの業者が参入していたり、時代と共に変換があったせいか、形状は千差万別。
色々な種類を集めたり、お気に入りを探したりと、うっかりすると深入りしてしまう危険なアンティークであるといえるでしょう。
さて、今回ご紹介するのは、ある意味定番ともいえる「FIELDS」のインクボトル。
製造年代は1917年もしくはそれ以降数年と、比較的(?)新しいせいか、1900年頃にみられる「Burst Lip Bottle(口を割るタイプ)」よりは進化しており、口部分はきれいに整えられています。
側面には以下の文字がみられます。
FIELDS
INK & GUM
RDNO660694
「FIELDS」については、深い情報は不明ですが、おそらく1908年創業のプライベートカンパニー「CARIBONUM LIMITED」による1ブランドなのではないかと思われます。
「FIELDS INK」の他にスタンプパッドや接着剤(GEM)等、文具類を取り扱っていた会社であり、後にはカーボンペーパーやインクリボンなども扱っていましたが、1998年には閉業しています。
工場は Leyton, London, E10 及び 10 and 12 St Martin's le Grand, London EC1に存在していました。
ご興味ある方はご覧になってください。
GRADE'S GUIDE TO BRITISH INDUSTRIAL HISTORY「Caribonum」の頁(英語版)
https://www.gracesguide.co.uk/Caribonum
「INK & GUM」ということは、インク、もしくは接着剤用の瓶であった、ということかと思います。この瓶の上から、当時は「インク」もしくは「接着剤」の紙ラベルを貼って販売していたのではないでしょうか。
また、「1917年」という製造年は、瓶に浮き彫りにされた番号から判定しています。
英国で製造された工業製品は、色々なことが読み取れるマークや番号を持っていることがあります。
代表的なものはシルバーのホールマーク。
ただ、シルバーでなくても、(ある程度)真面目な国民性のせいか、当時定められたマークをいちいちちゃんとつけている品物もあります。
たとえばダイヤモンドコード。
1842年から1883年までは、ある範囲の工業製品につけられていたもので、ちゃんと読めればいつ、だれが作った製品なのかがわかります。
これが1884年からはシンプルにレジストレーション(レジスタード)・ナンバーとなります。
例えば1884年のRD Numberは「RDNO1」から「RDNO19755」まで。
1900年のRD Numberは「RDNO351202」から「RDNO368153」まで。
「D」及び「O」は上寄せで小さな文字となります。
そして、1917年のRD Numberは658988から、1918年のRD Number662872から。
今回のボトルにつけられている番号は「RDNO660694」ですので、1917年に登録された番号であることがわかります。
FIELDSのインクボトルは、水色のものと透明のものがあるようですが、今回ご紹介しているのは透明タイプ。
約5cm角のガラス瓶はころんとしフォルムで、手のひらに乗せればぽってりとした質感で存在感抜群です。
約100年前の日常に当たり前にあった小さなガラス瓶は、一輪挿しにしても、窓辺にそのまま飾っていただいても素敵。
貴方なりの方法で、愉しんでみてはいかがでしょうか。
◆England
◆推定製造年代:c.1917年及びそれ以降数年のうち
◆素材:ガラス
◆サイズ:約4.7cm角 高さ約5cm
◆重量:79g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色がみられます。
*製造時からの筋や気泡がみられます。ヒビや欠けはございません。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A