英国アンティーク、ドラゴンが施された円筒形デスクトップビューロー。
変わったピースを手に入れました。
ディーラーの説明は 「A VERY UNUSUAL DESK TIDY !」
「DESK TIDY/デスクタイディ」とは、辞書で引けばペン立て、の意味。
「TIDY」に整理整頓の意味がありますので、ペンのみならず、デスクにある色々な物を片付ける、収納するツールをデスクタイディと呼ぶことが多いようです。
はい、まさにその役割にうってつけの一品。
高さ約37cm、上の方が丸く、蛇腹式のシャッターがついており、下が収納となった小型の家具。
このような蛇腹式となったシャッターは、ビューロー(書き物机)の天板を覆うものとしてよく見られ、そのようなビューローは「Roll Top/ロールトップ」ビューローと呼ばれます。
また、開閉式のシャッターが円筒形に納まるものは、シリンダービューロー、タンブールビューローとも呼ばれます。
よって、このお品物は「ロールトップ タンブール デスクトップ ビューロー」と呼ばせていただきます。
それでは、細かいところをみてみましょう。
蛇腹部分は細い板を生地の上で張り合わせ、円弧状のレールに嵌め込んだような仕組み。見えずらいですが、裏面をみるとグレー系の布が貼られているのがわかります。
蛇腹部分を背面に収納しながら開けるため、いっぱいに開けてもトップは全開にはなりません。ハガキ大の紙を入れた画像が全開状態です。それでも、レターラックであるため、それなりにお使いいただけるかと思います。
下の部分は開き収納が1か所、引き出しが3棹。引き出しには一般的なボールペンが余裕で入りますので、文具の収納に便利にお使いいただけそうです。
材は、メインはビーチなどの広葉樹と思われ、一部の枠等にオーク材が使われていると思われます。
引き出しの前板や開き扉、レターラックの仕切りなどは合板(ベニヤ)です。
合板というと、あまり良いイメージを持たれない方が多いかと思いますが、合板は古代から使われており、べニアスライサーによる合板が作られだしたのは1830年頃、という古い歴史を持ちます。
もちろん最高級の無垢材よりは質は落ちますが、あまりクオリティの高くな無垢材よりは経年変化に強く、重宝されてきたのは間違いありません。
このお品物に使われている合板も、薄い部位の反りを防止するため、そして端部の重なった断面をわざと見せるために使われているのかもしれません。
そして、意匠的にも凝ったものがみられます。
上部のタンブール部分は、それに呼応するかのように左右に丸い板がつけられ、中心にはウェールズのドラゴンのシルエットが施されています。
そして、下部収納の開き扉には、花瓶と花のシルエット。
幾何学的な要素を巧みに組み合わせた造形は、ウィリアム・モリスが19世紀末に唱えたアーツ&クラフツの意匠にも通じるようにみえます。
しっかりとした存在感があるだけに、収納力も抜群。
レターラックに仕舞ったお手紙や書類は蛇腹のシャッターに守られ、大切に置いておくことができます。
真鍮のツマミを持って、小さな開き戸や引き出しを開けるたびに、なにか嬉しくなるような気がするのは私だけでしょうか?
持つことの喜び、そして使うことの楽しさを感じさせてくれる、英国アンティークの類まれな逸品。
是非貴方のデスクトップでご愛用ください。
◆England
◆推定製造年代:c.1930年代頃
◆素材:木(オーク、ビーチ等)、布、金属
◆外寸サイズ:幅約24.2cm 奥行き(ツマミ以外)約21cm 高さ約37cm
◆重量:3.25kg
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、材の欠け、アタリや変色、小さなヒビ等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*蛇腹のシャッターは十分に可動しますが、片手で操作すると少し引っかかるように感じることがあります。
*その際は無理をせずに、もう片方の手を添えてゆっくりと動かしてください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A