英国アンティーク、ティーキャディースプーン。
英国の紅茶文化が生んだ特殊なスプーン、ティーキャディースプーン。
まず、「tea caddy/ティーキャディー」とは紅茶を保存しておくための専用容器のこと。
当初、お茶は高級品でしたのでそれ専用の箱を作り、鍵をかけておくのが基本でした。
そして、そこから茶葉をすくう為のスプーンが、ティーキャディースプーンです。
特徴としては柄が短く、ボウル部分が大きめで茶葉をすくいやすくなっていること。
大きさは様々で、特に何グラムが基準、というものはないようです。
18世紀後半頃から作られるようになり、素材もデザインも様々なものがつくられてきました。
高級品はスターリングシルバーで、ややお安めですと銀メッキ。そして普及品は真鍮やピューター、近年になればアルミやステンレスなど。
基本的には金属製となっているようです。
地方ごとのお土産や企業の広告用としても製作されており、その種類の豊富さから、コレクタブルなアイテムともなっています。
さて、今回ご紹介するのは、そんなティーキャディースプーン。
柄の部分は人物となっており、何やら物騒な獲物をもった強面の男性がモチーフ。
その下には以下の文字が刻まれています。
BLACKGANG SMUGGLER
まず、「Blackgang/ブラックガン(ギャング)」とは英国のワイト島の南西海岸にある村のこと。
海を見わたせる小さな町で、1840年代からの歴史を持つ小さなアドベンチャーランド「Blackgang Chine」があります。
そして「SMUGGLER/スマグラー」とは、密輸入者(密輸入船)、バイキングなどの意味。
このブラックガンという町は広い海岸線を持ち、そのことからかつては密輸入者の出没地域でもあったとか。
以上のことから、このスプーンはおそらくブラックガンの町のお土産物なのではないかと思われます。
いくら歴史的な意味合いがあるとはいっても、こんな怖いモチーフのお土産物、日本ではあまり考えられないような気がしますが・・。
とりあえずはとても強そうなスマグラーの姿が印象的な、ティーキャディスプーン。
こんなスプーンを使っていたら、貴重な紅茶の葉を盗む気にはとてもならないことでしょう。
現代日本では、ワイト島にいってみたような気持ちで使ってみるのも面白いかもしれませんが・・・いかがでしょうか。
◆England
◆推定製造年代:c.1930-1950年代頃
◆素材:真鍮
◆サイズ:幅約4.4cm 長さ約10.4cm 厚み約2.3cm
◆重量:約39g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A