英国アンティーク、ティーキャディースプーン。
英国の紅茶文化が生んだ特殊なスプーン、ティーキャディースプーン。
まず、「tea caddy/ティーキャディー」とは紅茶を保存しておくための専用容器のこと。
当初、お茶は高級品でしたのでそれ専用の箱を作り、鍵をかけておくのが基本でした。
そして、そこから茶葉をすくう為のスプーンが、ティーキャディースプーンです。
特徴としては柄が短く、ボウル部分が大きめで茶葉をすくいやすくなっていること。
大きさは様々で、特に何グラムが基準、というものはないようです。
18世紀後半頃から作られるようになり、素材もデザインも様々なものがつくられてきました。
高級品はスターリングシルバーで、ややお安めですと銀メッキ。そして普及品は真鍮やピューター、近年になればアルミやステンレスなど。
基本的には金属製となっているようです。
地方ごとのお土産や企業の広告用としても製作されており、その種類の豊富さから、コレクタブルなアイテムともなっています。
さて、今回ご紹介するのは、そんなティーキャディースプーン。モチーフはケルティックノット(ケルトの組み紐文様)です。
ケルティックノットには多様な結び目やスタイルがあり、様々な意味が込められながら、古代ケルト人によって建築物のレリーフや装身具などに使われてきました。
ちなみに古代ケルト人とは、紀元前7世紀から3世紀にかけて部族ごとに独特の文化をもちながら、ヨーロッパの広い範囲で暮らしていた人々のこと。
その後はローマ帝国に組み込まれていくことになりますが、
ブリテン島西部のスコットランドやウェールズ、アイルランドはローマの侵略を免れ、そこでケルト文化は島国特有の閉鎖環境で独自の文化的発展を遂げていくこととなります。
現在、私たちがイメージするケルト文化は主としてその地域からのもの。
そのことから、このティーキャディースプーンは、スコットランド、ウェールズ、アイルランドあたりからのお品物なのではないかと思われます。
スプーンから広がるお茶の歴史、そしてケルトの歴史。
英国から来た小さな実用品を手に、そんな歴史へと想いを馳せてみるのはいかがでしょうか。
◆England
◆推定製造年代:c.1930-1950年代頃
◆素材:真鍮
◆サイズ:幅約4.1cm 長さ約7.6cm 厚み約0.7-1.6cm
◆重量:約19g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、歪みや変色等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A