英国ヴィンテージ、エリザベス女王戴冠記念の祈祷書。
端正な白い紙箱。
中央には王冠とERⅡ1953のシールが貼られています。
蓋を開ければ、目の覚めるようなブルーの表紙をもつ、小さな本。
同じ王冠とERⅡ1953の文字は金の箔押しで仕上げられています。
表紙を開けば、ガーター勲章とブルーの大綬を掛けたうら若いエリザベス女王の肖像画。
本のタイトルは「THE BOOK OF COMMON PRAYER(聖公会祈祷書)」、発行は歴史あるオックスフォード・ユニバーシティ・プレスです。
つまり、この箱入りの祈祷書は、1953年、エリザベス女王が25歳の時に戴冠した際の記念のお品物。
ブルーリボンとも呼ばれるガーター勲章の大綬の色から、表紙の色はとられたのもしれません。
表紙は合皮ですが、開いてみている間に気づいたことがあります。
まず、祈祷書の小口に施された金色、つまり紙の側面に施された天金加工は、高級製本ではよく見られる手法です。
発祥は17世紀のヨーロッパで、聖書の変色や汚れ、虫食いなどを防ぐために考案されました。
長期保存のための実用性と、箔の煌びやかな見た目が合わさった技術です。
それ自体はよく見る手法ですが、この祈祷書を開くと、頁の周りには深いブルーが見えてきます。
おそらく一度ブルーに染めたのちに、金泊で仕上げたのではないかと思われます。
そのため、開いたり閉じたりすると、見る角度によって青になったり金になったり、果ては玉虫色になったりと、不思議な美しさがあり、思わず何度も祈祷書の頁を繰ってしまいました。
なにか名称がある手法かと思い調べてみましたが、具体名はみつけることができませんでした。
小さな記念の祈祷書にも、色や手法にこだわりが感じられるのは、さすがオックスフォード・ユニバーシティ・プレスといえるでしょう。
君主への敬愛の念、そして版元の矜持。
尊い想いがつまった、この時しか作られなかった貴重な出版物を、お手元で愛でてみてはいかがでしょうか。
◆England
◆推定製造年代:c.1953年
◆素材:紙、合皮、他
◆本体サイズ:約7.8×11.9cm 厚みさ約2.2cm
◆本体重量:149g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色等がみられます。大きな破れや欠損はみられません。
*外箱にはアタリや汚れなどがみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A